北海道暮らしの読みもの

3D地形を読み込んでいます

地理院タイル(標高タイル、シームレス空中写真、空中写真1974〜78年)を加工して作成。高さは3倍に強調

地形でわかる北海道

宗谷丘陵はなぜなだらか?

日本最北端の宗谷岬の南には、なだらかな丘がどこまでも続いています。宗谷丘陵です。

木の少ない丘に牛が放たれたこの景色は、氷河期の寒さが作った地形だといわれています。

スクロールすると、氷河期の宗谷丘陵へさかのぼります

現在

丘の上は滑らか、谷はV字

宗谷丘陵の丘の上には、平らで滑らかな斜面が広がっています。そこへ、V字の谷が刻まれています。

研究によると、滑らかな斜面と谷の斜面の境では、傾きが急に変わります。丘が低いので、高さは3倍に強調しています。

最終氷期

凍って、とけて、土が動く

約1万年前に終わった最後の氷河期、この土地は今よりずっと寒く、地面が凍ったりとけたりをくり返しました。

そのたびに斜面の表面の土が少しずつ動き、斜面全体がゆっくり下へずれて、谷のない滑らかな斜面ができたとされます。こうした地形を「周氷河地形」と呼びます。

氷河期のあと

雨が、谷を刻む

氷河期が終わると雨が増え、流れる水が滑らかな斜面に谷を刻み始めたと考えられています。

北海道北部の幌延で行われた研究では、永久凍土が消えたことや雨が増えたことなどが、谷が刻まれた理由に挙げられています。

現在

北海道に広くある地形

なだらかな周氷河斜面は、夏の雨が少ない道北や道東に広く分布しています。

今の気候では、凍ったりとけたりする働きはほとんどありません。氷河期に作られて残った「化石」の地形なのです。

1911年

山火事で、森が消えた

明治の中ごろまで、宗谷丘陵は深い森に覆われていました。1911年5月の山火事で森が失われ、その後は笹に覆われています。

木がなくなったことで、氷河期にできた地形がよく見えるようになりました。谷沿いでは、森が少しずつ戻りつつあります。

1974〜78年

風車ができる前の丘

1974〜78年の空中写真に切り替えました。丘の上には木がほとんどなく、草や笹に覆われた丘が広がっています。

このころは、まだ風車がありません。3Dの地形の形は今の標高データなので、変わっているのは写真に写った地面の様子です。

現在

日本最北端の牧場

今の宗谷丘陵には、国内最大規模の肉牛牧場が広がっています。

約3,000頭の宗谷黒牛が放牧されています。

現在

風車は、建て替えの最中

宗谷丘陵に並ぶ宗谷岬ウインドファームの風車は、今、建て替えの工事中です。

稚内市によると、2029年度に、4,300kWの風車14基で運転を始める予定です。空中写真には、建て替え前の風車が写っています。

2014年

雨の時代の、なだらかな斜面

なだらかな周氷河斜面は、これまで災害が少ない場所でした。

ところが豪雨が増え、2014年には稚内や礼文島で、周氷河斜面とそのまわりで斜面の崩れが起きています。北海道立総合研究機構は、緩い斜面も周氷河斜面かどうかを調べ、それに合った対策をとるよう求めています。

現在

北海道遺産の丘

宗谷丘陵の周氷河地形は、2004年に北海道遺産に選ばれました。

周氷河地形は北海道に広くありますが、宗谷丘陵は山火事で森がなくなったため、その形がひときわよくわかる場所です。

宗谷丘陵の基本データ

場所稚内市、宗谷岬の南
地形周氷河地形(氷河期にできたなだらかな斜面)
できた時期約1万年前に終わった最後の氷河期(最終氷期)
北海道遺産2004年10月22日選定(第2回)
森が消えたきっかけ1911年5月の山火事

できた時期は、稚内市の資料では「約1万年前に終わった最後の氷河期の末期」、宗谷総合振興局の資料では「約2万年前の最終氷期の間」と書かれています。

よくある質問

宗谷丘陵はどうやってできたのですか?

約1万年前に終わった最後の氷河期に、地面が凍ったりとけたりをくり返し、斜面の土がゆっくり動いてできた「周氷河地形」とされています。

宗谷丘陵にはなぜ木が少ないのですか?

明治の中ごろまでは森でしたが、1911年5月の山火事で森が失われ、その後は笹に覆われています。谷沿いでは森が戻りつつあります。

周氷河地形とは何ですか?

氷河のまわりの寒い土地で、地面の凍結と融解がくり返されてできる地形です。北海道では、氷期にできたなだらかな斜面が、道北や道東に広く残っています。

宗谷丘陵の風車はどうなっていますか?

宗谷岬ウインドファームは建て替えの工事中で、稚内市によると2029年度に4,300kWの風車14基で運転を始める予定です。

宗谷丘陵へ行くなら

この3D地形について

今の地形と写真、1974〜78年の空中写真は、国土地理院のデータを開いたブラウザがその場で読み込んで描いています。宗谷丘陵は高さが低く平らに見えるので、高さは3倍に強調しています。1960年代の空中写真は、この地域にはありません。

丘の上の滑らかな斜面とV字の谷の観察は、宗谷丘陵を調べた田中(1990)によります。氷河期のあとに谷が刻まれた理由は、宗谷丘陵の南の幌延で行われた研究のものです。

空中写真の出典:地理院タイル(シームレス空中写真、空中写真1974〜78年)。「電子国土基本図(オルソ画像)」、「東日本大震災後正射画像」、「森林(国有林・民有林)の空中写真(林野庁)」、「地方公共団体等の空中写真」、「簡易空中写真」、「国土画像情報」から作成されたものです。地理院タイル一覧

参考にした資料

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