北海道暮らしの読みもの

3D地形を読み込んでいます

地理院タイル(標高タイル、シームレス空中写真)を加工して作成。高さは1.5倍に強調

地形でわかる北海道

羊蹄山はなぜ富士山に似ている?

羊蹄山は標高1,898mの火山です。その形から、蝦夷富士とも呼ばれます。

高さは富士山の半分ほどなのに、なぜ似て見えるのでしょうか。

スクロールすると、約5万年前へさかのぼります

現在

上から見ても、ほぼ円

真上から見ると、ふもとがほぼ円形に広がっています。その直径は約12〜13kmで、山頂には直径約700mの火口があります。

周りは標高180〜270mの平らな土地で、尻別川が囲んでいます。平地から単独で立ち上がっているので、形がよく目立ちます。

現在

測ってみると、傾きがほぼ同じ

国土地理院の標高データで測ると、山頂の近くの平均の傾きは、羊蹄山が約26度、富士山も約26度でした。

ふもとに向かってゆるやかに広がる曲線も共通です。この画面は高さを1.5倍に強調しているので、実際より急に見えます。このページの下にグラフがあります。

約5〜6万年前より前

ここに、羊蹄山はまだなかった

気象庁の資料によると、羊蹄山の活動は約5〜6万年前に始まりました。

ここからは、今の山を消して周りからつないだ想像の姿で見ていきます。

約5〜6万年前〜4万年前

噴火を繰り返して、山が積み上がる

軽石や火山灰、溶岩流、火砕流を繰り返し噴き出し、約4万年前までに古羊蹄山ができました。

山頂で噴火を繰り返し、噴き出したものが積み重なった円錐形の火山を、成層火山といいます。富士山も同じ成層火山です。これが、似ている一番の理由です。

約4万年前以降

一度、大きく崩れている

古羊蹄山は、大規模に崩壊しました。今の美しい形は、そのあとに作られたものです。

どの方向にどれだけ崩れたかは、この場面では再現していません。低くなった山はイメージです。

崩壊のあと

新羊蹄山が、もう一度山を作る

崩壊のあと、新羊蹄山の活動が始まりました。はじめは山腹の側火山が中心でしたが、過去1万年では山頂の火口が活動の中心になりました。

山頂からの噴火が続けば、噴き出したものは周りに均等に積もりやすくなります。これが円錐の形を保つ理由の一つと考えられます。

約4,000年前

溶岩は倶知安の街まで届いた

約4,000年前の噴火の溶岩流は、今の倶知安町の市街の一部まで達しました。

オレンジの線は方向を示すイメージで、溶岩流の実際の範囲ではありません。

約2,500年前

最後の噴火と、山頂の火口

最後の噴火は約2,500年前の山頂噴火です。今は噴気活動も認められていません。

それでも羊蹄山は活火山です。富士山の最後の噴火は1707年なので、羊蹄山のほうが長く静かです。

現在

ふもとに湧き出す水

羊蹄山のふもと、京極町のふきだし公園では、水が毎日湧き出していて、一年を通して水温や水量が変わりません。この水は町の生活用水にも使われています。

羊蹄山に降った雨や雪が、数十年かけて湧き出すと紹介されています。

現在

そして、今の羊蹄山へ

同じ成層火山でも、材料や大きさは違います。富士山は主に玄武岩で、ふもとの直径は約50km。羊蹄山はより二酸化ケイ素の多い岩でできていて、ずっと小さな山です。

よく似た形は、同じように噴火を繰り返して積み上がった歴史の表れです。

羊蹄山と富士山の斜面を比べる

山頂から離れるほど、どれだけ下がるかを比べました。山頂から2.5kmほどまでは、2つの山はほとんど重なります。その先、羊蹄山はすぐに平地へ着きますが、富士山はさらに下がり続けます。

05001,0001,5002,0002,50001234567山頂からの距離(km)山頂から下がった高さ(m)富士山 0.5km:218m下羊蹄山 0.5km:188m下富士山 1.5km:728m下羊蹄山 1.5km:742m下富士山 2.5km:1,217m下羊蹄山 2.5km:1,160m下富士山 3.5km:1,559m下羊蹄山 3.5km:1,404m下富士山 4.5km:1,879m下羊蹄山 4.5km:1,535m下富士山 5.5km:2,127m下羊蹄山 5.5km:1,615m下富士山 6.5km:2,313m下羊蹄山 6.5km:1,662m下羊蹄山富士山
地理院タイル(標高タイル)から計算。山頂から同じ距離の輪の上で標高の中央値を取った値で、方向による違いはならしています。
山頂からの距離羊蹄山(下がった高さ)富士山(下がった高さ)
0.5km188m218m
1.5km742m728m
2.5km1,160m1,217m
3.5km1,404m1,559m
4.5km1,535m1,879m
5.5km1,615m2,127m
6.5km1,662m2,313m

山頂の近く(0.5〜2.5km)の平均の傾きは、羊蹄山が約25.9度、富士山が約26.5度です。その先(2.5〜4.5km)は、羊蹄山が約10.6度、富士山が約18.3度です。事典では、成層火山は山頂付近が最も急で、遠ざかるほどゆるやかになると説明されています。

羊蹄山と富士山の基本データ

羊蹄山富士山
標高1,898m3,776m
ふもとの直径約12〜13km約50km
火山の種類成層火山成層火山
主な岩石SiO₂ 54.2〜65.9%主に玄武岩(SiO₂ 49〜52%)
最後の噴火約2,500年前1707年(宝永噴火)

羊蹄山のふもとの直径は事典、それ以外は気象庁の資料によります。

よくある質問

羊蹄山はなぜ富士山に似ているのですか?

どちらも、噴火を繰り返して噴き出したものが積み重なった、円錐形の成層火山だからです。標高データで測ると、山頂近くの平均の傾きはどちらも約26度で、ふもとに向かってゆるやかに広がる形も共通です。

なぜ蝦夷富士と呼ばれるのですか?

富士山に似た形をしているからです。羊蹄山は後方羊蹄山(しりべしやま)とも呼ばれてきました。

羊蹄山は活火山ですか?

はい、活火山です。最後の噴火は約2,500年前の山頂噴火で、現在、噴気活動は認められていません。

羊蹄山はいつできましたか?

約5〜6万年前に活動が始まりました。約4万年前までにできた古羊蹄山が大規模に崩壊し、そのあとの新羊蹄山の活動で今の姿になりました。

羊蹄山へ行くなら

羊蹄山の標高や所在地は、北海道の山カタログでも見られます:羊蹄山(蝦夷富士、1898m)

この3D地形について

今の地形は、国土地理院の標高タイルと空中写真を、開いたブラウザがその場で読み込んで描いています。一方、山がない姿、育つ途中、崩れて低くなった姿、噴煙、溶岩の線はイメージで、当時を正確に再現したものではありません。画面の右上に、イメージかどうかを表示しています。

空中写真の出典:地理院タイル(シームレス空中写真)。「電子国土基本図(オルソ画像)」、「東日本大震災後正射画像」、「森林(国有林・民有林)の空中写真(林野庁)」、「地方公共団体等の空中写真」、「簡易空中写真」、「国土画像情報」から作成されたものです。地理院タイル一覧

参考にした資料

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