tower eleven hotel tower eleven hotel

tower eleven hotel（タワーイレブンホテル）は、北海道日本ハムファイターズの本拠地・エスコンフィールドHOKKAIDOのスタンド一体型施設「TOWER 11」の4階に位置する、全12室だけの小規模ライフスタイルホテルです。所在地は北広島市Fビレッジ1番地。球場そのものの構造の一部に客室が組み込まれており、「スタジアムの中に泊まる」という体験ができるアジア初の球場内ホテルとして注目を集めています。

コンセプトは「エンターテインメントを起点にしたライフスタイルホテル」。客室のバルコニーや大きなソファ、メゾネット客室のルーフトップなど、客室ごとにフィールドを眺めるための特等席が設計されており、試合開催日はもちろん、ゲームのない日でも天然芝のグラウンドを一望しながら過ごせるつくりです。1フロア下には天然温泉とサウナ施設「tower eleven onsen & sauna」があり、宿泊者は大浴場や露天風呂、サウナを利用できます。32ヘクタールの広さを持つFビレッジ内のレストランやショップ、アクティビティにも徒歩圏内でアクセスでき、ボールパーク全体を「ひとつの街」として楽しめるのが魅力です。

客室はわずか12室ですが、そのすべてが「11」をキーナンバーにしたコンセプトルーム。野球や球場にまつわるモチーフをデザインに取り入れ、ユニフォームやバット、アートワークなどが各客室ごとに異なる形で配置されています。広さや眺望の違いに合わせて、「mountain view」「field view」「field view maisonette」「Darvish & Ohtani suite」「Darvish & Ohtani Premium maisonette」といったタイプが用意されており、いずれも禁煙・無料Wi-Fi完備。テレビ、冷蔵庫、電気ケトル、ナイトウェアやバスタオルなど、ホテルステイに必要な基本装備はひと通り揃っています。

もっともスタンダードな「mountain view」は約26㎡で、セミダブルベッド2台とシングルベッド1台を備えたコンパクトな間取り。フィールド側ではなく外周側に面しており、Fビレッジや周辺の街並み、遠くの山並みを眺めながら滞在できます。一方、フィールド側に面した「field view」は約38㎡で、バルコニーまたは大きな窓からグラウンドを真正面に望めるつくり。セミダブルベッド2台にシングルベッドとソファベッドを組み合わせた構成で、推奨2名・最大4名まで泊まれるため、カップルから小グループまで幅広く対応できます。

より特別感のある滞在を求めるなら、2層構造の「field view maisonette」や、選手名を冠した特別室が選択肢に入ってきます。「field view maisonette」は約69〜80㎡のメゾネットタイプで、客室内の階段を上がると上層階のバルコニーからフィールドを見下ろすことができ、下階とはまた違う角度の眺めを楽しめます。ダルビッシュ有選手と大谷翔平選手をテーマにした「Darvish & Ohtani suite」「Darvish & Ohtani Premium maisonette」では、壁面のアートやユニフォーム、写真などが随所に配置され、スタンド席では味わえない「選手に囲まれた」ような空間演出が特徴。最大7名まで宿泊できる広さを持つ部屋もあり、ファン同士のグループステイにも向いています。

館内設備で大きな特徴となっているのが、下階に併設された天然温泉＆サウナ施設です。ナトリウム系の温泉を引いた大浴場や露天風呂、フィールドを望むサウナエリア、屋内バーゾーンなどが一体となっており、「世界でも珍しい球場内の温泉サウナ」として紹介されています。温浴ゾーンの一部は水着着用エリアとなっていて、バーで購入したドリンクを片手に外気浴を楽しむスタイルも可能。宿泊者はチェックイン日・チェックアウト日の決められた時間帯に利用でき、試合観戦やFビレッジ散策の合間に汗を流してリフレッシュする拠点としても機能します。

客室アメニティは、シャンプー・コンディショナー、ボディソープ、ハンドソープ、タオル類、館内着、スリッパなど基本的なものに絞られており、歯ブラシやカミソリなどの使い捨てプラスチック製品は必要な分だけフロントで受け取る方式です。サステナビリティへの取り組みとして、余分なアメニティを減らし、タオルやリネン類の連泊時交換をゲストが選択できる仕組みを導入しているのも、このホテルの特徴のひとつです。

朝食は、「tower eleven onsen & sauna」のバー／ラウンジエリアなどで提供されるモーニング付きプランを選択する形になっており、素泊まり・朝食付きなど複数のプランが販売されています。朝食付きプランでは、温浴施設の利用チケットとセットになっているものが多く、朝風呂と朝食を組み合わせて「スタジアムの朝時間」をゆっくり過ごせるのが魅力です。館内にはルームサービスはありませんが、Fビレッジ内の飲食店や売店が充実しているため、試合前後にスタンドグルメを楽しんだり、テイクアウトを部屋に持ち帰って観戦しながら食事をする、といった楽しみ方もできます。

アクセスは、JR北広島駅からFビレッジ行きのシャトルバス（有料）で約5分。札幌方面からは道央自動車道・札幌南ICや輪厚スマートIC、千歳方面からは恵庭ICが推奨ルートとされており、車利用の場合はFビレッジ内B4駐車場のホテル専用区画を、1室につき1台まで無料で利用できます。チェックインは概ね15:00〜、チェックアウトは9:00（プランにより最大10:00〜12:00まで延長可）の設定で、プロ野球シーズンやイベントのスケジュールに合わせて運用が変わる場合もあります。

総じて、tower eleven hotelは「試合を観に行く」の一歩先、スタジアムをまるごと楽しむ「泊まる観戦体験」を形にしたホテルと言えます。スタンドのすぐ裏にある客室からフィールドを眺め、温泉とサウナでととのい、夜はライトアップされた球場を見ながらグラスを傾ける——そんな時間を少人数でゆっくり味わえる、特別感の強い一軒です。野球観戦を中心に据えた北海道旅行はもちろん、Fビレッジの雰囲気をじっくり体感したい人、サウナ好きの仲間とユニークなサウナ旅を楽しみたい人に、特におすすめの宿と言えるでしょう。