翠山亭倶楽部定山渓 Suizantei Club Jozankei

札幌中心部から車でおよそ40分。定山渓温泉の静かな一角に、全客室に源泉風呂を備えた“大人の隠れ宿”「翠山亭倶楽部定山渓」があります。第一寶亭留（だいいちほてる）グループの公式サイトが掲げるキーワードは、二十四節気の移ろいを愛でる滞在。木々に抱かれた落ち着いたアプローチと、館内の静謐なトーンが、到着直後から日常の速度をゆるめてくれます。

客室は6タイプ構成で、約56㎡・60㎡・90㎡・110㎡とゆとりの広さ。露天・展望・檜内風呂に“個室サウナ付き”のスイートまで、湯と寛ぎのスタイルを選べます。全室が温泉を引き込み、湯船のバルブを開ければ“加温も加水もしない”できたての湯を好きなだけ楽しめるのが大きな魅力。冷蔵庫のドリンクはフリー、Bluetoothスピーカーなど滞在の質を上げる装備も整います（全館禁煙）。

“温泉”は館内の大浴場に加えて客室風呂が主役。泉質はナトリウム－塩化物泉で、同グループが自噴する3本の源泉をブレンドし、やわらかな肌当たりと保温感を両立させています。さらに姉妹館の大浴場や離れの湯屋「森乃湯」、厨翠山の「川乃湯」も利用可能（時間帯・入替あり）。客室→大浴場→湯屋と、気分で湯処を使い分ける“湯の自由度”もこの宿の持ち味です。

“食”は二つの会場を軸に、創作和食会席と鉄板グリルを用意。道内各地の鮮魚・野菜を選りすぐり、フレンチの技法も取り入れた品書きで、季節の旨みを引き出します。自家菜園の野菜や契約農家の素材を積極的に採り入れる姿勢も明示。記念日にはホールケーキ手配などのサポートもあり、しっかり食べたい日も、軽やかに愉しみたい日も“その夜の気分”で選べます。

館内の過ごし方は“静けさの快楽”が中心。吹き抜けが気持ちいい2階ゲストラウンジでは、15:00〜は季節のハーブティーや小菓子のセルフサービス、20:00〜はバータイムに切り替わり、季を映したカクテルで一日を締めくくれます。1階ロビーラウンジは湯上がりのクールダウンに好適。客室内エステ（ボディケア）も手配でき、“部屋から出ない贅沢”も成立します。

アクセスは“札幌から近い秘境”の好バランス。大通1番出口前（昭和ビル前）発の無料直行バス「湯けむり号」（定員制・完全予約制）が1日複数便運行し、往路は11:30／14:40（14:30集合）／17:00、復路は10:20・13:00発の設定（前日19時まで要予約）。車なら新千歳空港から約90分、札幌中心部から約40分が目安です。

ポリシーは“アダルト・フレンドリー”。当館は13歳以上限定、チェックイン15:00／チェックアウト11:00。キャンセル料や喫煙（全館禁煙・2階に喫煙スペース）などの細則も明示されています。段差の多い構造のため、必要に応じスタッフが移動をサポートしてくれる点も安心材料。静けさと私的時間を守るためのルールが、滞在の密度を高めます。

OTAの掲載情報を俯瞰すると、評価の軸は“客室風呂の満足度”“食事の質”“スタッフの所作”“ラウンジの居心地”。Booking.comでは大人専用の明示と、温泉・サウナ・マッサージ等の設備記載があり、エクスペディアでは無料Wi-Fi・無料駐車場・無料の地域内シャトルなど“土台の使い勝手”が整理されています。価格はシーズン・在庫で変動し、観光協会の目安や各OTAの在庫を横並びで把握しておくと選びやすいでしょう。

客室数は“少室数ゆえの静けさ”が魅力。観光協会では14室・6タイプ・56〜110㎡と明記されており、一方で楽天トラベルでは“総部屋数15室”の表記も見られます（改装・販売管理による差異の可能性）。最新の客室運用は公式で確認しつつ、希望の広さ・風呂タイプ（露天／展望／檜／サウナ付）・食事会場を起点にプランを絞るのが満足度を上げるコツです。

総じて「翠山亭倶楽部定山渓」は、客室で完結する温泉体験と、四季を映す料理、余白の多いラウンジ時間を“自分のリズム”で編める大人のための宿。姉妹館の湯処・食事処も横断できる懐の深さがありながら、館内はあくまで静かに端正。読書と湯、対話と一杯、そして早起きの一番湯――そんな“何もしない贅沢”を、札幌から小一時間の距離で濃密に味わわせてくれます。予約前には、シャトル時刻・食事会場・外湯利用時間など運用の最新情報を公式とOTA双方で確認しておくと安心です。