翠山亭倶楽部定山渓 Suizantei Club Jozankei 定山溪翠山亭俱樂部

翠山亭倶楽部定山渓は、札幌の奥座敷・定山渓温泉にある「大人のための隠れ宿」です。場所は札幌市南区定山渓温泉西2丁目10番地。全室温泉付き・客室数は15室前後と小規模で、中学生（13歳）以上限定の大人専用施設として運営されています。札幌中心部から車で約40分、新千歳空港からは高速道路経由でおおよそ80〜90分。札幌駅からの無料送迎バスや路線バスでもアクセスでき、週末の小旅行や記念日ステイに使いやすい立地です。

客室は56㎡〜110㎡のゆとりある広さで、6タイプ・十数室のみという構成です。フロアは四季になぞらえてデザインされ、各客室には日本の伝統的な和菓子の名前が付けられています。全室に源泉掛け流しの温泉を備え、木や和紙を使った落ち着いたインテリア、Bluetoothスピーカー、冷蔵庫内のフリードリンクなど、「部屋で静かに過ごす時間」を重視した設備が特徴です。

客室タイプは、110㎡の「温泉＆個室サウナ付スイート」、90㎡の「スパリビング＆個室サウナ付」、展望風呂付和洋室（60㎡・90㎡）、露天風呂付和洋室（60㎡）、檜内風呂付和室・洋室（56㎡）など多彩です。なかでもスイートとスパリビング客室は、源泉掛け流しの内湯に加えてセルフロウリュ可能な個室サウナを備えた客室で、館内から一歩も出ずに「ととのう」滞在が完結します。露天風呂付和洋タイプは、幅1.8m×1.3mの大きな湯船を備えた露天風呂が特徴で、湯温が下がると自動的に源泉が足される仕組みになっており、循環なしの掛け流し温泉を好きなタイミングで楽しめます。

館内には大浴場と露天風呂も備えています。3本の自家源泉からブレンドしたナトリウム‐塩化物泉を掛け流しで使用しており、総檜造りの内湯では木の香りに包まれながら湯浴みができます。男女別の内湯・露天風呂・サウナを揃え、利用時間は15:00〜翌10:30（一部時間帯は清掃・男女入替）。泉質は保温効果が高い塩化物泉で、神経痛・関節痛・慢性婦人病・疲労回復・健康増進などに効能があると案内されています。

食事は、「グリルダイニング」と「懐石ダイニング」の2つのスタイルから選べるのが特徴です。グリルダイニングでは、厳選した道産牛などの肉をシェフが目の前の鉄板で焼き上げ、音や香りも含めて楽しめるスタイル。モダンな設えのダイニングで、ワインなどと合わせてコース仕立ての食事を味わえます。一方、懐石ダイニングでは、四季の食材を中心に構成した会席料理を、半個室スタイルの落ち着いた空間でいただけます。どちらも「派手さよりも素材の持ち味」を意識した内容で、予約時に好みのスタイルを選ぶ仕組みです。

朝食は食事処での和食中心のメニュー構成で、焼き魚や卵料理、小鉢、サラダ、汁物、ご飯などをバランスよく揃えています。口コミでは「品数が多く、朝からしっかり食べられる」「夕食同様、盛り付けや味付けが丁寧」といった声が多く、夕朝食ともに「食」に力を入れている宿と評価されています。

館内施設は、規模を絞っているぶん内容が整理されています。2階のゲストラウンジでは、時間帯に応じてコーヒーやソフトドリンク、ワイン、ウイスキーなどのドリンクがフリーで提供されており、グループ系列のパティスリー「ハレとケ洋菓子店」のスイーツが並ぶこともあります。ラウンジは読書や談話の場として自由に利用でき、大きなホテルのロビーとは違う、落ち着いた居間のような空間です。そのほか、スパ・エステは姉妹館「翠蝶館」の「てふてふ」を利用できるメニューが用意されており、温泉滞在と組み合わせたボディケアも可能です。

アクセスは、車の場合は札幌中心部から国道230号線を南へ進み約40分。新千歳空港からは道央自動車道〜札幌南IC経由で約80〜90分が目安です。定山渓観光協会サイトや宿泊予約サイトによると、札幌駅発の無料送迎バス（事前予約制）が運行しており、公共交通利用の場合はJR札幌駅から定山渓温泉行き路線バスに乗り、最寄りのバス停から徒歩圏内という案内になっています。

全体として、翠山亭倶楽部定山渓は、大型リゾートのようなにぎやかさよりも、「大人が静かに過ごすための空間」を重視した宿です。全室温泉付きのゆったりとした客室、選べる2つの食事処、小さなラウンジ、源泉掛け流しの大浴場と露天風呂という構成で、「寛・食・湯」をコンパクトにまとめています。カップルや夫婦の記念日、ゆっくり話をしたい友人同士の旅行、一人で静かに過ごしたい大人の休日などに特に向いた一軒と言えるでしょう。