定山渓温泉 章月グランドホテル Shogetsu Grand Hotel

札幌中心部から車で約1時間、渓谷美で名高い定山渓に1934年創業の老舗「定山渓温泉 章月グランドホテル」。全客室・ラウンジ・大浴場・露天風呂が渓谷側に面し、四季折々の眺望を“館内のどこからでも”楽しめるつくりが最大の魅力です。老舗の矜持と現代的な快適性を併せ持つ、定山渓を代表する一軒です。

まず特筆したいのが、章月名物の“ラウンジ・ホスピタリティ”。チェックイン後は名物・大黒屋の大黒饅頭とお茶で一服（15:00〜19:00）。夕刻は世界各地の“蜂蜜バイキング”で約16:00〜22:00、好みのハニーを食べ比べ。湯上がりの時間帯（17:00〜18:00）はビールを、夜は“夜のスイーツ”（19:00〜21:30）を用意――と、時間軸に沿ったもてなしが続きます。視界の先には渓流が広がり、甘やかな余韻とともに滞在の密度がぐっと高まります。

温泉は湯量豊富な源泉かけ流し。大浴場と露天風呂はいずれも渓谷ビューで、野趣と開放感を両立。定山渓観光協会の案内でも“効能豊かな源泉かけ流しの温泉を堪能できる”と明記され、老舗の確かな湯使いがうかがえます。湯上がりは前述のホスピタリティでのどを潤し、渓谷の風を感じながら体温をゆっくり整えるのが章月流。

客室はツイン中心の洋室から和洋モダン、キングベッド、ファミリー、プレミアム、最上階スイートまで多彩。2021年以降、“完全リニューアル客室”として月のアートを配したスーペリアツインなどが順次お目見えし、老舗に新鮮な息吹を与えています。なおキングベッドルームの展望風呂は“温泉ではない”旨が明記されているため、客室内で温泉にこだわる方はタイプ選定を。全体としては“全室が渓谷向き”という稀有な設計で、窓外のドラマが滞在時間を豊かに彩ります。

食事は旬材を活かした和食会席。季節替わりの献立が旅の節目を演出し、地物の滋味を丁寧に引き出します。創業来の“こころと味のおもてなし”を掲げる同館らしく、食後はラウンジの“夜スイーツ”で余韻をもう一皿――という流れも愉しいところ。渓谷を間近に感じる席配置も評判です。

アクセスは札幌駅から車で約50〜60分。定山渓温泉へはじょうてつバスや予約制の直行バス（カッパライナー等）も利用可能で、ホテルの英語ページでも「札幌駅から車53分／じょうてつバス約68分、最寄り停留所から徒歩約3分、無料駐車場あり」と具体的に案内されています。直行シャトルの運賃変更（2024年7月1日以降）など運用の更新も随時告知されるため、出発前に最新情報を確認すると安心です。

ラウンジの“蜂蜜バイキング”は人気が高く、近年コーナーのレイアウトを見直して選びやすさを高めたとのアナウンスも。創業90年超の時間を紡ぎながら、細部の体験価値をアップデートし続ける姿勢が、再訪者を増やす理由でしょう。

レビューの傾向は総じて良好。Booking.comでは“とてもすばらしい”レンジの評価で、スタッフの所作、料理、ラウンジサービス、渓谷ビューに言及する声が多く見られます。一方、時間帯によってはラウンジや浴場が混み合うという指摘も散見されるため、ピークを外して動線を組むと快適度が上がります。滞在中の“蜜時（みつどき）”を自分でデザインできるのも、章月ならではの愉しみ方です。

料金や客室仕様はシーズン・在庫で変動。観光協会サイトの目安では1人あたり24,200〜49,500円のレンジで、記念日や季節行事に合わせてプランを選ぶのが定石。公式サイトはベストレート保証で、客室タイプの違いやラウンジサービスの詳細も含め、予約前に“公式×OTA”を横並び比較すると条件最適化が図れます。

まとめると、章月グランドホテルは“渓谷を愛でる時間”を核に、源泉かけ流しの湯、旬を映す会席、名物のラウンジ・ホスピタリティで一日のリズムを編む老舗。全室渓谷向きという稀少性と、リニューアルで磨かれた居住性が同居し、定山渓らしい“静と華”を一度に味わえます。絶景に包まれて浸かり、味わい、語らい、ととのう――旅の基本動作を丁寧に積み重ねたい方に、いま推したい温泉宿です。