支笏湖第一寶亭留 翠山亭 Shikotsuko Daiichi Hotel Suizantei 支笏湖第一寶亭留翠山亭

支笏湖第一寶亭留 翠山亭は、支笏洞爺国立公園内・支笏湖温泉に建つ和風旅館で、「大人の隠れ家」をコンセプトにした温泉宿です。日本最北の不凍湖として知られる支笏湖のほとりに位置し、手つかずの自然に囲まれた静かなロケーションが特徴。銅葺きの屋根をもつ落ち着いた和の建物で、館内は木の質感を生かしたシックな雰囲気にまとめられています。

客室数は約26〜29室と小規模で、和室、和洋室、洋室に加え、庭園露天風呂付き特別室や檜風呂付き客室など、プライベート性を重視したタイプがそろっています。畳の間にソファやベッドを組み合わせた客室が多く、座ってくつろぐスペースとベッドルームが自然に分かれるつくりです。庭園露天風呂付きの部屋では、客室専用の露天風呂と小さな庭がつながっており、外の空気を感じながら好きな時間に温泉を楽しめます。13歳以下の子どもの宿泊を受け付けていないため、館内全体が比較的静かで、夫婦やカップル旅を意識した運営になっているのも特徴です。

温泉は、支笏湖温泉のナトリウム‐炭酸水素塩泉で、「美人の湯」とも呼ばれる柔らかな肌あたりが持ち味です。大浴場には、岩風呂や露天風呂、寝湯、サウナなどが備わり、内湯からも外湯からも支笏湖周辺の自然を感じながら湯浴みができます。貸切露天風呂も用意されており、事前予約・有料制で家族やカップルだけのプライベートな入浴が可能です。泉質は弱アルカリ性の炭酸水素塩泉で、入浴後は肌がしっとりするような感覚があると紹介されており、長湯を楽しみたい人にも向いています。

食事は、北海道の旬の食材を活かした会席料理が基本です。夕食では、近海で水揚げされた魚介や季節の野菜、時期により白老産の黒毛和牛や支笏湖周辺の川魚（チップなど）が登場することもあり、煮物・焼き物・揚げ物・小鉢とバランスよく構成されたコースで提供されます。朝食は和食中心で、焼き魚、出汁巻き卵、小鉢類、炊き立てのご飯や味噌汁など、素朴ながら手作り感のある内容。全体的に派手な演出よりも、「丁寧に仕込んだ料理を落ち着いた雰囲気で味わう」スタイルに重きが置かれています。

館内施設としては、ロビー横のコーヒーラウンジ、土産物を扱う売店、2階テラスラウンジなどがあります。ラウンジでは、チェックイン後にウェルカムドリンクを楽しんだり、湯上がりにコーヒーを飲みながらくつろいだりと、客室以外にもゆったり過ごせるスペースが確保されています。売店では、第一寶亭留グループのオリジナル商品や北海道各地の銘菓、支笏湖周辺の土産などを扱っており、旅の記念になる品を選びやすいラインナップです。設備自体は最新のデザインホテルというより、和風旅館らしい落ち着いた雰囲気で、やや年季の入った部分もありつつ、丁寧なメンテナンスとサービスで補っている印象です。

アクセスは、北海道千歳市・支笏湖温泉。新千歳空港からは車で約40〜50分、札幌市内からは国道453号線経由で約1時間です。JR千歳駅からは、宿泊者専用の無料送迎バスが毎日運行しており（完全予約制・14時発）、帰りは翌11時にホテル発の便が用意されています。路線バスを利用する場合は、新千歳空港または千歳駅から支笏湖行きのバスに乗り、終点「支笏湖」停留所で下車、そこから徒歩2分ほどで到着します。自家用車・レンタカー利用の場合は、25台分の無料駐車場があり、予約不要で利用可能です。

周辺環境としては、支笏湖畔の散策路や展望スポット、遊覧船・カヌー・クリアカヤックなどのレイクアクティビティが充実しており、春の桜、新緑、紅葉、雪景色と、季節ごとに表情を変える湖と山並みを楽しめます。冬季には支笏湖氷濤まつりなどのイベントも開催され、夜にはライトアップされた氷のオブジェを鑑賞することも可能です。宿そのものが「大人の隠れ家」というコンセプトで、館内で静かに過ごすスタイルを重視しているため、観光を詰め込むというよりは、日中は湖畔を軽く散策し、夕方以降は温泉と食事、客室でのんびりとした時間を楽しむ滞在に向いています。

総じて、支笏湖第一寶亭留 翠山亭は、「最新設備よりも落ち着いた和の雰囲気」「子どもの少ない静かな環境」「温泉と会席料理をゆっくり味わう時間」を重視したい人に適した湖畔の温泉宿です。全体として派手さはありませんが、広めの客室、美人の湯の温泉、手堅い会席料理、支笏湖らしい自然環境がそろっており、夫婦旅やカップルの記念日旅行、北海道周遊の途中で少しペースを落として過ごしたいときに選びやすい一軒と言えます。