美味しい宿 敷島定山渓別邸 Shikishima Jozankei Bettei 敷島定山溪別邸

美味しい宿 敷島定山渓別邸は、札幌の奥座敷・定山渓温泉の渓谷沿いに建つ全10室の小さな宿で、「美味しい宿」を看板に掲げる料理自慢の隠れ家ホテルです。場所は札幌市南区定山渓温泉西3丁目434、豊平川の清流をすぐ下に望む立地で、川の音と山の緑に囲まれた静かな環境が特徴です。札幌中心部から車で約45〜60分、新千歳空港からは高速道路経由で約90分前後が目安。札幌駅から定山渓行き路線バスに乗り「定山渓大橋」バス停で下車、徒歩約5分という公共交通でのアクセスもしやすい宿です。

客室は全部で10室のみで、渓谷側4タイプ・山側2タイプの計6タイプを用意しています。代表的なタイプは、47㎡の「デラックス和洋室（渓谷側）」、スタンダードな和室（渓谷側）、洋室ツイン（渓谷側）、山側ダブル、山側和洋室、そして離れに設けられた特別室です。いずれも派手さよりも落ち着きを重視したデザインで、照明や色使い、家具などを抑えめにまとめ、部屋で静かに過ごしたい人向けのつくりになっています。全室にテレビ、冷蔵庫、湯沸かしポット、お茶セット、無線LAN、洗浄機能付きトイレ、加湿器、金庫などが備わり、アメニティもシャンプー・コンディショナー・ボディーソープ、歯ブラシ、カミソリ、ブラシ、タオル類、浴衣、スリッパなど一通り揃っています。

食事は、この宿のいちばんの売りです。夕食は、北海道産の肉・魚・野菜を中心に厳選した旬の食材を使った和洋創作会席。前菜、椀物、造り、魚料理、肉料理、食事、デザートといった流れを基本に、その時期ごとの素材に合わせて内容を変えています。料理長が仕入れからメニュー構成までを担当し、「見た目の派手さよりも、きちんとおいしいこと」を重視した料理が並ぶと紹介されています。料理に合わせるお酒も道産ワインや日本酒、各種ワインなどを幅広く用意しており、コースに合わせてグラスで楽しむスタイルが取りやすくなっています。

朝食は、一人ひとりに配膳される和食膳スタイルが基本です。焼き魚、玉子料理、小鉢、煮物、サラダ、香の物、味噌汁、ご飯といった構成で、派手なビュッフェではなく、丁寧に盛りつけられた和朝食を落ち着いていただける内容になっています。旅行クチコミサイトなどでは、「朝ごはんから品数が多く、しっかり食べられる」「見た目もきれいで、料理長のこだわりが感じられる」といった声が目立ちます。夕食・朝食ともレストランでの提供で、夕食時間は18:00または18:30、朝食は7:30または8:00からの予約制と案内されています。

温泉は、源泉かけ流しが大きな特徴です。館内の「岩風呂」には内湯と露天風呂があり、いずれも定山渓温泉のナトリウム塩化物泉をそのままかけ流しで楽しめるようになっています。露天風呂からは豊平川の渓谷を間近に感じることができ、川のせせらぎを聞きながら湯に浸かる環境です。湯量が豊富で常に新しい湯が注がれているため、湯ざわりがやわらかく、体の芯から温まりやすいと紹介されています。長湯を楽しみたい人にも向いた温度帯で、入浴後もしばらくポカポカ感が続く泉質です。

館内施設は、規模を絞った宿らしく必要なものに絞られています。レストラン、談話室（ラウンジ）、自動販売機、無料駐車場（約10台）などが中心で、大型リゾートホテルのようなプールやゲームコーナーはありません。その分、館内は落ち着いた雰囲気で、本を読んだり、窓の外の渓谷を眺めたり、部屋とラウンジを行き来しながら静かに過ごすような滞在に向いた構成です。全館Wi-Fiに対応し、チェックインは15:00、チェックアウトは11:00と、朝も比較的ゆっくりめの時間が設定されています。

アクセス面では、車利用の場合は札幌市街地から国道230号線を南に進み、定山渓温泉街の入口付近から温泉西エリア側へ回り込む形になります。公共交通では、JR札幌駅前から定山渓温泉行きの路線バスに乗り「定山渓大橋」バス停で下車、そこから徒歩約5分。駐車場は先着順で10台分確保されており、満車となるケースは多くないようです。札幌市や観光サイトの紹介によると、宿は温泉街の中心から少し入った場所にあり、周辺の散策路や足湯スポットへも徒歩圏内です。

総じて、美味しい宿 敷島定山渓別邸は、「多機能な大型ホテル」ではなく、「10室だけの静かな宿で、料理と源泉かけ流しの温泉をじっくり楽しみたい人向け」の宿です。渓谷側の客室やレストランから川面を眺めつつ、和洋創作会席と落ち着いた和朝食、こぢんまりとした岩風呂の温泉を組み合わせた滞在ができるのが特徴と言えます。カップルや夫婦旅、少人数の友人同士、静かな環境で過ごしたい一人旅などに特にフィットする一軒です。