ONSEN RYOKAN 由縁 札幌 Onsen Ryokan Yuen Sapporo

札幌中心部・北1条西7、都心の利便と静けさの境目に佇む「ONSEN RYOKAN 由縁 札幌」は、“旅館の本質を編集する”という由縁ブランドの思想を、北海道の素材と景観で解いた都市型温泉旅館です。大通公園や札幌駅から徒歩圏というロケーションに、登別・カルルス温泉の湯と季節の食を持ち込み、現代的な機能性と日本旅館の情緒を一つの体験に束ねています。住所は札幌市中央区北1条西7丁目6。館のステートメントとアクセスは公式で明快に整理されています。

客室は全182室。ダブル（20㎡）、ツイン（24㎡／高層階設定あり）、コーナーダブル／ツイン（27㎡）、メゾネットダブル（33㎡）、最上階のガーデンスイートとファミリースイート（各39㎡）など、旅の同伴者や滞在目的に合わせて細やかに選べるラインナップです。いずれも無駄を削いだしつらえに、木の温もりややわらかな照明を合わせ、寝具や水回りの機能性で“都市の快適”を確保。小さな設えの統一感が、静けさを濁さない余白をつくります。

温泉は、登別市・カルルス温泉の源泉を毎日運搬して注ぐ“本物の湯”。泉質は無色透明・無臭の単純温泉で、身体へのあたりがやさしく湯上がりの軽さが持ち味です。大浴場は札幌軟石を配した落ち着きのある意匠で、露天の開放感と内湯の安定感をバランス良く両立。女性浴場には半露天に“滝見”の趣を取り込む「滝湯」、岩を配した水風呂、サウナなどを備え、都心にいながら五感で自然を感じる入浴が叶います（男女で構成は一部異なる）。月替わりの“季節湯”も楽しみの一つ。

館内ダイニング「夏下冬上 札幌」では、料理長が道内各地の生産者と対話して選ぶ食材を、和の技法で端正に。朝は宿名物の和御膳「ホッケのひつまぶし」やお造りを、夜は炭の周囲に素材を立てて焼き上げ旨味を凝縮する“原始焼き”を据えた会席で、北海道の季節を写し取ります。旅の始まりと終わりを、軽やかで滋味深い一皿がやさしく整えてくれます。

“旅館の本質”を再編集した空間づくりも由縁らしさ。装飾を抑えたロビーと回廊、客室に続く静かな動線は、滞在のリズムを整えるための舞台装置です。未就学児の添い寝に関する柔軟な受け入れ（室タイプごとの上限あり）、館内禁煙、ペット不可といった基本ポリシーは、旅の安心感を支える前提として明示。駐車場は台数限定の有料・先着制で、周辺パーキングの案内も用意されています。

アクセスは、地下鉄大通駅から徒歩約8分、JR札幌駅／地下鉄さっぽろ駅から徒歩約13分、西11丁目駅から徒歩約10分。空港からはJR快速エアポートで札幌駅まで約40分ののち徒歩圏、あるいは空港連絡バスで道庁前・札幌グランドホテル最寄り下車徒歩約8分。都市動線に自然の気配を織り込んだ立地で、観光・食べ歩き・ビジネスのいずれの拠点にも無理がありません。

主要OTAの記載を俯瞰すると、〈温泉・サウナの充実／清潔感と意匠／スタッフのホスピタリティ／立地の使い勝手〉が評価の柱。Expediaは館内温泉・和朝食（有料）・自己駐車場（有料）などの実務情報を、Booking.comは温泉・サウナ・荷物預かり・24時間対応などの設備面を丁寧に整理しています（記載は随時更新されるため、詳細は各サイトで確認を）。

開業は2020年8月。由縁ブランドの2号店として、札幌という都市の肌理に“湯治の文化”を接続した存在です。過度な装飾を脱ぎ、素材と所作と時間の流れで満足度をつくる——その思想は、客室の寸法から湯の温度、料理の火入れに至るまで一貫しています。旅の本能である「よく眠り、よく食べ、よく整う」を、北海道らしいスケール感と都市の便利さのちょうど真ん中で叶えてくれる、今の札幌を代表する一軒と言えるでしょう。

最後に旅のヒントをいくつか。チェックイン前後の荷物預かりや多言語対応、館内の自動販売機・コインランドリーの有無、朝夕の提供スタイルは、予約プランや時期で運用が変わることがあります。客室タイプや人数構成（布団追加の可否など）と合わせ、公式とOTAを見比べて選ぶと満足度が上がります。特に温泉旅館としては珍しい都市部の立地ゆえ、入浴後に街へ夕食や散策へ——という“二毛作”の過ごし方もおすすめ。湯を起点に、札幌の街の呼吸まで楽しむ旅が待っています。