定山渓温泉 ぬくもりの宿 ふる川 Nukumorino-Yado Furukawa 古川溫之宿飯店

札幌中心部から車で約50分、豊平川の渓谷に抱かれる「定山渓温泉　ぬくもりの宿 ふる川」は、“華美さよりも人の温かさ”を掲げる人気の湯宿です。公式が語るコンセプトは「ふる里に帰ったような寛ぎ」。きらびやかな施設ではなく、笑顔と言葉で迎える——そんな原点回帰のもてなしを前面に出し、到着の瞬間から肩の力がふっと抜ける設計です。所在地は札幌市南区定山渓温泉西4-353、札幌中心部からの無料送迎や車での目安時間も公式に明示されています。

館内の要（かなめ）は多彩な湯処。大浴場は“美・健康・若返り”をテーマにした3フロア構成で、内湯・露天をはしごしながら“熱→休→冷”のリズムを整えられます。さらに、開祖・美泉定山が湯守を務めた壱の湯をイメージした離れ露天「ゆ瞑み」、家族やカップルで使える貸切檜風呂も用意。日帰り入浴は通常12:00〜15:00（最終受付14:30）の案内があり、宿泊前後に“湯だけ”を楽しむ選択肢も取りやすいのが特徴です（運用は変動するため最新情報を要確認）。

客室は全55室規模。昔ながらの和室から和洋室まで幅があり、2025年時点の公式では、専用ラウンジを備えた特別フロア「月星（つきほし）」を新設。温泉付き客室や個室食事処、離れ露天「ゆ瞑み」への導線を含む“ストレスから解放される定山渓時間”を提案しています。愛犬同伴可の客室も選べ、幅広い旅のかたちに寄り添うのがふる川流。

食のテーマは“手づくり×出来たて”。温かいものは温かく、冷たいものは冷たく——最適温を守ることに徹し、夕朝食は三つの個性ある食空間で提供されます。蔵造りの個室「壺中天」、囲炉裏や掘りごたつのある「仙食庵」、大正モダンの「喜庵」など、器と設えの力で“いつもの料理”が記憶に残る体験へと昇華。食前・食後に湯へ戻りやすい動線も、温泉旅ならではの幸福感を底上げしてくれます。

“ととのえる”選択肢も豊富です。エステ＆ボディケアのサロン「Rakusaa」、茶香炉がほのかに香る貸切岩盤浴などを備え、湯と施術の往復で深い休息へ導きます。館内の随所に配された本棚には約1,000冊超の蔵書が並び、自家製よもぎ茶のサービスとあわせて“手を止めて深呼吸する小さな余白”が散りばめられているのも、ふる川らしい仕掛け。

“ぬくもりの宿”を名乗るだけに、館内のタッチポイントはどれも人の温度が感じられます。作務衣姿のスタッフが“着かず離れず”の距離感で迎え、ロビーやラウンジでは“おかえりなさい”という言葉が自然に飛び交う。観光協会の紹介文でも“故郷”をキーワードに、ギャラリーや蔵書、ハーブティーなど“日常をほどくための仕掛け”が丁寧に語られています。

実務の土台も安心。楽天トラベルの施設情報では総客室数55室、レストラン／ラウンジ、宴会場、大浴場、サウナ、露天風呂、売店などが明記され、標準的なフル装備の温泉旅館としての使い勝手がわかります。エクスペディアやHotels.comのページでは“3.5★の旅館”“無料Wi-Fi・無料駐車場・館内に温泉”と要点が整理され、旅の導線（車・公共交通）を含めたイメージが掴みやすい構成です。

日帰り派にも門戸は広く、観光協会の“日帰り湯”情報に料金や営業時間、バスタオルの扱い、キャッシュレス対応、駐車場などがまとまっています。イベントやメンテナンス時は休止・時間変更の告知が入るため、直前に公式の「お知らせ」を確認しておくと安心です。

“使いこなしのコツ”を三つ。①到着後はまず大浴場で軽く温め、夕食の席へ。食後は「ゆ瞑み」や貸切檜風呂で星空の外気を浴びながらもう一度。②読書派はラウンジやギャラリーで一息→湯→よもぎ茶、の短いサイクルを何度か回すと“思考の速度”が落ちていくのを実感できます。③月星フロアを選ぶなら、専用ラウンジと個室食事処、温泉付き客室の“内側完結”導線を活かして、あえて館外の移動を減らすのも一案です。

価格は時期・在庫・食事条件で幅があり、OTAと直予約の比較は必須。とくに週末や連休、紅葉・雪見のハイシーズンは早期満室が常。希望の客室タイプ（眺望・温泉付きの有無）と食事会場、必要に応じて貸切風呂や岩盤浴の枠を同時確保しておけば、当日の流れは格段にスムーズになります。

総じて、ふる川は“湯×手仕事の食×人の温度×読書と小さな余白”で、旅の速度をやわらかく落としてくれる定山渓の定点。派手さではなく“じわっと沁みる体験”を重ねたい人、ひとり旅で自分と向き合いたい人、家族で静かに記念日を祝いたい人に、迷わず勧めたい一軒です。