支笏湖温泉 レイクサイドヴィラ翠明閣 Lakeside Villa Suimeikaku 支笏湖溫泉 湖邊景觀別墅酒店 翠明閣

支笏湖温泉 レイクサイドヴィラ翠明閣は、支笏洞爺国立公園の湖畔に建つ全8室だけの小さな温泉ヴィラタイプのホテルです。建物は湖にせり出すように配され、客室・ラウンジ・テラスなど館内の多くの場所から支笏湖と山並みを真正面に望めるつくりになっています。湖に最も近い立地のひとつと言われるだけあり、朝夕の光や季節ごとの色合いの変化を、滞在中ずっと身近に感じられるのが大きな特徴です。

客室はわずか8室のみで、すべての部屋がレイクビュー。部屋ごとに支笏湖周辺に咲く花の名前が付けられており、インテリアは木のぬくもりを生かした落ち着いた色調で統一されています。大きな窓からは湖面と対岸の山々が視界いっぱいに広がり、天候が良ければ夕日が水面をオレンジ色に染めていく様子を部屋にいながら眺めることができます。客室タイプはツイン中心ながら、和の要素を取り入れた和洋室タイプや、眺望を重視したデラックスタイプなどがそろい、記念日やゆっくりこもる滞在にも使いやすい構成です。

全客室には天然温泉を引いた専用バスが備わっており、「自室の温泉でくつろぐ」という贅沢な過ごし方ができます。さらに館内には、湖畔に近い場所にしつらえた貸切露天風呂が2つあり、「瑠璃」「翡翠」と名付けられた石造りと檜造りの浴槽を、時間予約制でプライベート利用することが可能です。湯は支笏湖温泉の無色透明なナトリウム炭酸水素塩泉で、肌あたりが柔らかく、長湯しても疲れにくい泉質とされています。客室内の温泉と貸切露天を組み合わせれば、チェックインからチェックアウトまで、人目を気にせずに温泉三昧の滞在が楽しめます。

食事は、館内のレストランでいただくコーススタイルのイタリアンディナーがメインです。北海道各地の食材を中心に、その時期の旬を取り入れたメニュー構成で、魚介や肉料理、野菜の前菜などをワインとともにゆっくり味わえます。レストランはミシュランガイドでビブグルマンの評価を受けたこともあり、料理目当てに訪れるゲストも少なくありません。朝食は和食中心で、焼き魚や小鉢、地元産のご飯・味噌汁などを組み合わせた内容。大きな窓越しに湖を眺めながら、静かな朝の時間を過ごせるのもこの宿ならではです。

パブリックスペースとしては、暖炉を備えたラウンジや、湖に面したテラススペースが用意されています。夕食後には、暖炉の火を眺めながらドリンクを片手にくつろぐゲストが多く、大人だけの落ち着いた雰囲気です。ギフトショップ「やませみ」では、支笏湖周辺の作家による作品や、センスのよい北海道みやげなどを扱っており、量産的な土産物とはひと味違う品を探すのにも向いています。館内全体が「静かに過ごす大人のための隠れ家」というコンセプトでまとめられており、子どもの受け入れを制限するなど、基本的には大人同士の旅行やカップル、夫婦旅に特化した運営がなされています。

立地は、千歳市・支笏湖温泉街の一角。新千歳空港からはバスで約55分、終点の「支笏湖」バスターミナルからは宿のシャトル送迎（事前予約制）を利用するのが一般的なアクセスです。札幌市内からであれば、JRで千歳駅まで移動し、そこから路線バスで支笏湖へ向かうルートがよく使われています。雪の多い冬季も主要道路は除雪されますが、レンタカー利用の場合はスタッドレスタイヤ必須で、天候次第では公共交通を選ぶほうが安心できるエリアです。

周辺では、湖畔散策路を歩いたり、展望台から支笏湖を一望したり、季節によってはカヌーや遊覧船といったアクティビティも楽しめます。夏は水の透明度の高さを実感できるクルーズ、秋は紅葉に包まれた山並み、冬は氷濤まつりなどのイベントもあり、どの季節に訪れても違った表情の支笏湖に出会えます。宿はあえて規模を抑え、館内に遊び場をたくさん作るよりも、「静かな客室」「眺めのよい温泉」「質の高い食事」に力を入れているため、観光で動き回るというよりは、湖畔でのんびり滞在したい人に向くスタイルです。

総じて、レイクサイドヴィラ翠明閣は、「派手さよりも環境と静けさを重視したい」「客室と温泉、食事のクオリティにこだわりたい」という人に向いた支笏湖畔の隠れ家的な温泉宿と言えます。客室数が少ない分予約のハードルはありますが、そのぶん館内は常に落ち着いた雰囲気で、支笏湖の景色や温泉、料理を腰を落ち着けて楽しみたい大人の旅にぴったりの一軒です。