休暇村 支笏湖 Kyukamura Shikotsuko 休暇村 支笏湖

休暇村 支笏湖は、支笏洞爺国立公園の森の中、支笏湖のほとりに建つ公共の温泉宿です。新千歳空港から車で約50分、JR千歳駅からも路線バスと送迎バスを組み合わせてアクセスできる立地ながら、周囲には高い建物がほとんどなく、深い森と静かな湖に抱かれた環境が広がっています。透明度の高い支笏湖の水面や、季節ごとに色を変える広葉樹に囲まれ、北海道らしい自然の中でゆっくり過ごしたい人向けの拠点です。

客室は和室・洋室・和洋室が中心で、湖側と森側それぞれに眺望の違いがあります。和洋室ではベッドと畳スペースが組み合わされ、窓辺には落ち着いた色調の椅子やテーブルが配されており、外の森を眺めながらくつろげるつくりです。コーヒーマシンやUSB電源、空気清浄機、40型テレビなど、長時間過ごしやすい設備もしっかり揃っているので、部屋でゆっくり本を読んだり、パソコン作業をしたりといった滞在にも向いています。一部には段差に配慮した洋室もあり、高齢の方との旅行でも選択肢を用意しやすい構成です。

温泉は、支笏湖温泉の源泉を引いた大浴場で楽しめます。とろりとした肌当たりのお湯は「美肌の湯」として知られており、内湯と露天風呂、サウナなどを備えたシンプルながら使いやすい造りです。浴場の窓越しには支笏湖周辺の森が広がり、季節や時間帯によって異なる景色を眺めながら湯に浸かることができます。ほどよい湯温で長湯しやすく、アウトドアやドライブのあと、じっくり身体を温めるにはちょうど良い雰囲気です。

食事は、北海道の食材をふんだんに使った会席料理やビュッフェスタイルが特徴です。スタンダードプランで提供される「みずうみ会席」では、道産豚「ゆめの大地」を使った鍋料理や、北海道産の魚介、じゃがいもなどを取り入れたメニューが並びます。前菜・造り・鍋物・焼き物・揚げ物と、一通りの会席の流れを楽しめる構成で、締めのご飯やデザートまで過不足のないボリュームです。朝食は和洋のモーニングビュッフェが基本で、焼き魚や卵料理、ごはんとパン、サラダ、スープなどが並び、観光に出かける前にしっかりエネルギーを補給できます。

ロビーやラウンジ周辺は、支笏湖の森に面した明るい空間になっており、窓の外に広がる芝生や木立が印象的です。建物は「野鳥の森」に隣接していて、周辺はバードウォッチングのフィールドにもなっています。ラウンジ前には野鳥用の餌台が設置されており、コーヒーを飲みながらガラス越しにシジュウカラやゴジュウカラなどの小鳥たちを眺めて過ごすこともできます。都会のホテルとは違う、「森の中の宿」らしいゆったりした時間の流れを感じられるスペースです。

アウトドア派であれば、支笏湖周辺のアクティビティと組み合わせた滞在も魅力です。湖ではカヌーやSUP（スタンドアップパドルボード）などのウォーターアクティビティが盛んで、透明度の高い水面の上をゆっくり進みながら周囲の原生林を眺める体験が人気です。冬には氷濤まつりをはじめとしたイベントも行われ、ライトアップされた氷の造形物と雪景色のコントラストがこの地域ならではの風景をつくります。季節ごとに楽しみ方が変わるので、同じ場所でも訪れる時期によって印象が大きく異なるのも支笏湖エリアの特徴です。

もう一つの特徴が、休暇村が運営するキャンプ場との連携です。車で約10分の場所には、湖畔にテントサイトが広がるモラップキャンプ場があり、フリーサイトや常設テント、手ぶらプランなど多様なスタイルに対応しています。日中は湖畔でキャンプやバーベキューを楽しみ、夜は本館の温泉で汗を流してから客室で休むといった組み合わせも可能で、「アウトドアは楽しみたいけれど眠る場所はしっかり確保したい」という人にも使いやすい選択肢です。

アクセス面では、新千歳空港から車で約50分、苫小牧フェリーターミナルからも同程度の距離にあり、道外からの旅行でも行程を組みやすいのが利点です。公共交通利用の場合は、新千歳空港やJR千歳駅から支笏湖行きの路線バスに乗車し、終点のバス停からは事前予約制の送迎バスで宿まで向かう流れになります。支笏湖周辺は夜間のバス本数が限られるため、チェックイン時間に余裕を持った移動計画を立てておくと安心です。

総じて、休暇村 支笏湖は「豪華な高級リゾート」というよりも、手の届きやすい料金帯で、温泉・食事・自然体験をバランスよく楽しみたい人に向いた宿です。ファミリー旅行やグループ旅行はもちろん、自然のそばでのワーケーションや連泊にも使いやすく、湖畔や森を歩く散策、アクティビティ、キャンプ場との組み合わせなど、旅のスタイルに応じて幅広くアレンジできます。支笏湖エリアで「自然の中で過ごす時間」を軸に旅を組み立てたいときに、候補に入れておきたい一軒と言えるでしょう。