定山渓 ゆらく草庵 （共立リゾート） Jozankei Yuraku Soan 定山溪悠樂草庵飯店

定山渓 ゆらく草庵（共立リゾート）は、札幌の奥座敷・定山渓温泉に2022年11月プレオープン、2023年2月にグランドオープンした比較的新しい湯宿です。場所は「札幌市南区定山渓温泉東3丁目228-1」。札幌中心部から車で約45分、北広島ICから国道36号・230号経由で約1時間5分、新千歳空港からは車でおよそ90分と案内されています。公共交通の場合は、JR札幌駅から「じょうてつバス」の定山渓温泉行きで約70分、または予約制の「かっぱライナー号」で約55分、「定山渓神社前」バス停から徒歩約5分ほどです。

館内は“草庵造り”をコンセプトにした和の雰囲気で、ロビーを含め基本的に畳敷き。靴を脱いで過ごすスタイルのため、旅館らしい落ち着いた時間を過ごせます。建物は地上7階・地下1階、客室数は全102室。ツイン、デラックスツイン、フォース、和洋室、ユニバーサルなど複数タイプがあり、カップルからファミリーまで対応できます。

客室の大きな特徴は、「全室に天然温泉の客室風呂が付いている」点です。和のしつらえをベースにした客室には畳スペースやローベッド、ソファなどが組み合わされ、部屋ごとに設えを変えています。浴室には檜やヒバなど木の香りが楽しめる浴槽が採用されており、好きな時間に何度でも入浴できるのがメリットです。誰にも気兼ねせず湯浴みを楽しめるため、記念日やご褒美旅、夫婦・カップルでの滞在に向いています。

大浴場エリア「岩蕗の湯」では、定山渓のナトリウム－塩化物泉を多彩な湯船で楽しめます。内湯は檜風呂や岩風呂、さら湯の「夢想湯」などがあり、露天エリアには露天風呂や壺湯、岩盤浴スペース、打たせ湯、サウナが設けられています。いずれも渓谷側の眺めを活かした造りで、季節ごとの山の表情を眺めながら入浴できるのがポイントです。泉質は無色透明のナトリウム‐塩化物温泉で、保温力が高く、神経痛・関節痛・腰痛・冷え性・疲労回復・健康増進などに適応症があると案内されています。

貸切露天風呂は、「閑（ひのき風呂）」「悠（陶器風呂）」「静（ひば風呂）」「寂（岩風呂）」の4種類を用意。いずれも予約不要で、入口の空きランプを確認して空いていれば無料で何度でも利用できます。趣の異なる浴槽が揃っているので、連泊や長めの滞在で湯巡り感覚を楽しむのにも向いています。

湯上がり処「然」では、入浴後の一息用にサービスが用意されています。夜はアイスキャンディー、朝は乳酸菌飲料などが無料で提供され、風呂上がりにちょっと喉を潤したいときに便利です。こうした“無料サービス”は共立リゾートらしい特徴で、気軽に利用できるのがうれしいポイントです。

食事は、北海道産食材をふんだんに使った和会席が中心です。夕食は季節替わりのコースで、前菜、造り、温物、焼物、揚物、鍋物、食事、デザートといった構成が基本。魚介や肉、野菜などをバランスよく組み合わせ、派手さよりも素材の味を活かした内容になっています。朝食は和洋メニューを揃えたスタイルで、道産米のご飯やおかず、サラダ、卵料理、パン類などを少しずつ楽しめるよう工夫されています。

夜の名物として、共立リゾート定番の「夜鳴きそば」も提供されています。昔ながらの醤油味のラーメンを軽めの量で提供するもので、夕食後や温泉のあと、小腹がすいたときにぴったりです。無料で楽しめる夜食サービスとして定評があり、リピーターからの評価も高いポイントです。

館内設備としては、レストラン、ラウンジ、バー、土産処、エステサロン、マッサージコーナー、宴会場、喫煙スペースなどを備えています。茶室では日時限定で抹茶のもてなしを行うことがあり、全客室には手挽き用のコーヒーミルも完備。さらに色浴衣の無料貸し出し（先着順）もあり、館内での滞在時間に少しアクセントを加えてくれます。

駐車場は立体と平面を合わせて約67台分を確保しており、宿泊者は無料で利用できます。チェックインは15:00から、チェックアウトは11:00までが基本。定山渓温泉街の東側に位置しているため、周辺の散策路や神社、足湯スポットなどへも徒歩圏内で動きやすい立地です。

全体として、定山渓 ゆらく草庵は、「全室天然温泉風呂付き」「多彩な大浴場と4つの貸切露天風呂」「館内畳敷きの落ち着いた和空間」が揃った、現代型の温泉リゾートです。大規模なアクティビティ施設があるタイプではありませんが、客室風呂と大浴場・貸切風呂、食事、ちょっとした無料サービスを組み合わせながら、ゆっくりと湯治気分で過ごしたい人に向いた一軒といえます。カップルや夫婦、友人グループ、親子三世代など、幅広い層が利用しやすいバランスの取れた温泉宿です。