定山渓温泉 花もみじ Hana Momiji 花楓葉

札幌中心部から車で約50分、豊平川の渓谷に抱かれる老舗旅館「定山渓温泉 花もみじ」。同グループ本館「鹿の湯」の“別館”的立ち位置で、和の情緒と北海道らしいおもてなしを今の感性で磨いた一軒です。公式は「名湯・鹿の湯を含む3本の源泉をブレンド」「3つの大浴場と3つの貸切湯」と温浴力を前面に掲げ、旅の中心に“湯”を据える価値を明快に伝えます。

温泉は“上へ・下へ・個へ”と楽しみを立体化。最上階12階には眺望自慢の展望風呂、館内には源泉かけ流しの「もみじ湯」、さらに趣の異なる3つの貸切風呂を用意。湯元の力強いお湯を、景色・温度・プライベート性の違いで味わい分けられます。定山渓観光協会の案内にも、12階展望風呂と3種の貸切湯、そして“湯本のお湯を堪能できる”宿として明記があります。

客室は多彩で、旅の目的や人数に応じて選びやすい構成。なかでも客室最上階の「プレミアフロア うらら」は全室に客室温泉を備え、“好きなときに自室で湯へ帰れる”ぜいたくを実現しています。和室・和洋室の標準フロアでも、窓外に広がる山景や温泉街の灯が旅情を誘い、テーブルを囲む静かな時間がよく似合います。これらのディテールは公式の客室ページで確認できます。

食事は“伝統×独創”の和会席。四季の走り・盛り・名残をすくい上げ、調理法・味付け・盛り付けに北海道らしさを映す──そんな芯の通った料理観が公式で語られており、刺身や焼物の温度管理、出汁仕事の丁寧さに定評があります。朝は和洋ビュッフェが基本で、旬の小鉢や出来たての温菜を中心に、1日のコンディションをすっと整えてくれる構成です。

館内の“余白”も充実。ロビー／ラウンジでは大きなスピーカーからの名曲や書物、各種ドリンクサービスでひと息。隣接する本館「鹿の湯」の施設も活用しながら、花もみじ単体でも“館内完結”で長居したくなる導線が敷かれています。アクティブ派には季節営業の屋外プール、のんびり派には図書・談話スペースやギフトショップなど、過ごし方の幅が広いのも特徴です。

アクセスは札幌市街からクルマで約50分、新千歳空港から約90分がひとつの目安。ブッキングのページでは“札幌発の無料送迎（要事前確認）”や“家族風呂の貸切（有料）”、“本館側のカラオケ・ゲームコーナー利用”など、旅の実務に効く記載もまとまっています。公共交通派でも組み立てやすい導線で、到着後は“湯→食→湯”のリズムに自然と入っていけるはず。

予約サイトの評価軸を横断すると、強みはおおむね三つ。（1）湯処の充実──眺望風呂×かけ流し×貸切の三段構え。（2）スタッフの心配りと清潔感。（3）家族・カップル・三世代まで受け止める“器用さ”。エクスペディアでは“アップスケールでファミリー向けの旅館”“館内温泉・アーケード（ゲーム）・ライブラリー”などが整理され、館内で過ごす楽しさが伝わる構成です。

価格帯は時期・在庫・食事条件で可変。観光協会の目安は1名15,650～44,150円と幅があり、紅葉・雪見・連休のハイシーズンは早めの確保が無難です。直予約の特典（ベストレートやアーリーチェックイン枠など）と、OTAのポイント／クーポンを横並びで比較し、希望の客室タイプ（プレミア温泉付きか／眺望）と夕食開始時間、貸切風呂の予約可否を同時に押さえるのが“失敗しない手配”。

“使いこなしのコツ”を三つ。①湯は「到着直後」「夕食後」「朝いち」の三回し。展望風呂は夕暮れ前後、かけ流しは朝の柔らかい光を狙うと表情が変わります。②カップル・家族は貸切風呂を1コマ確保して“旅のハイライト”に。③食後はロビーラウンジで一息→就寝前に短い湯で体温を整える──この小さなサイクルで、翌朝の目覚めが軽くなります。

実務メモ：住所は札幌市南区定山渓温泉西3丁目32（ホテル鹿の湯グループ）、代表TELは011-598-2311。併設の売店やギフトの取り扱い、日帰り入浴の実施時間・料金、屋外プールの営業時期、無料送迎のダイヤは季節や催事で変動するため、出発前に公式と予約サイト双方で“最新”を確認しましょう。

総じて「花もみじ」は、温泉旅の王道を“立体的な湯体験”で磨き上げた定山渓の定番。12階の展望風呂で景色に浸り、かけ流しの“もみじ湯”で芯から温まり、貸切湯で物語を閉じる。プレミア客室なら“自分の湯”も手に入る。伝統と北国の風土が織りなす静かな歓びを、肩肘張らずに味わえる一軒です。