エグゼクティブスイート翠嶺（定山渓ビューホテル内） EXECUTIVE SUITE SUIREI

札幌中心部から車で約50〜60分。定山渓ビューホテルの最上階（15–16階）にしつらえた全33室の特別フロアが「エグゼクティブスイート翠嶺（すいれい）」です。2024年12月25日に新規オープンした新顔で、広い客室と専用ラウンジ、専用レセプションを備えた“静かな高層レジデンス”の趣。滞在中はビューホテル内の温泉・サウナ・巨大屋内プール「水の王国ラグーン」など、館内施設をすべて自由に利用できるのも強みです。

客室の世界観は階層でテーマが異なります。16階は“水”をテーマに、豊平川の清流を想起させるしつらえ。15階は“木々”をテーマに、四季の色合いを映す落ち着いたトーンです。どの客室も窓辺にフロアチェアを配し、渓谷の空と稜線の移ろいを腰かけたまま愉しめる構図。上質なファブリックとライティングで“何もしない贅沢”に徹する時間を演出してくれます。

最上位の「〖ビューバス〗ロイヤルスイート」は100㎡・定員4名。ホテルで最も広い間取りで、窓外に広がる定山渓の景色を独占できるビューバスを備えます（客室内バスは温泉ではありません）。リビングとベッドルームを緩やかに分けるレイアウトで、滞在動線にゆとりが生まれるのが魅力。眺望重視の記念日ステイや長めの滞在に好適です。

食事は3つのスタイルから選べます。ひとつ目は、和の技法と北海道食材にフレンチの感性を織り込んだ「フレンチ懐石」。ふたつ目は、肉と魚のWメインで構成する「和会席」。いずれも季節のひと皿を丁寧に積み重ねるコースダイニングです。三つ目は、和洋中約60品の夕食ビュッフェ＆海鮮を自由に盛れる朝食ビュッフェ（会場・内容はビューホテルと共通）。その日の気分と旅の同伴者に合わせ、食体験を選び分けられます。

翠嶺専用ラウンジは本館側16階、営業時間8:00〜22:00。紅葉名所・二見吊橋の景色をモチーフにした設えで、ドリンクやアルコールを揃え、川辺にたたずむような“間”を提供します。チェックイン前後の一服からナイトキャップまで“誰にも急かされない時間”を約束してくれる存在です。

専用レセプションデスクは本館ロビー階に設置。翠嶺の宿泊者だけが利用でき、チェックイン14:00（最終20:00）／チェックアウト10:00の手続きをゆったりと進められます。複数室予約時は「ビューバス表記の有無」で15階・16階に分かれる可能性がある――といった運用上の注意もFAQに明示され、事前に希望を伝えるとスムーズです。

“湯と整い”は、定山渓ビューホテルの2大浴場「湯酔郷」「星天」と最新サウナ群が舞台。2024年7月・12月にはコンセプトの異なるサウナエリアが相次ぎリニューアルされ、ウッディ・スチーム・クール（内気浴）やレッドホット／イエローといった多彩な温冷体験をラインナップ。客室でくつろぐ→高層階で景色に浸る→温冷交代浴で整う、という“高さ”と“温度”のレイヤーを往復できるのが、このフロアの醍醐味です。

館内アクティビティの象徴は、総面積4,000㎡級の「水の王国ラグーン」。ウェーブプールや流れるプール、キッズ・ベビー向け浅瀬エリアも揃い、天候に左右されずに一日中遊べます。ラウンジで静に、ラグーンで動に――“静動の切り替え”に富むのが翠嶺×ビューホテルの合体技。到着日の午後はラグーン→夕景の展望浴場→コースディナー→ラウンジで一杯、という王道ルートもおすすめです。

アクセスは札幌駅周辺から車で約50〜60分。チェックイン・アウト時刻や夕朝食の時間帯（和会席会場「お食事処 うらら香」18:00–20:00／朝7:00–9:00、L.O.あり）を軸に計画すると、館内の“混み”を避けやすくなります。プールは開場直後、温泉は清掃直後や朝風呂、ディナーは枠の早め取得――と“少しずらす”だけで、体験密度は一段と上振れします。

予約のポイントは3つ。①眺望優先なら16階ビューバス系、②食の重みで「フレンチ懐石／和会席／ビュッフェ」を選び分ける、③複数室予約はフロア分散の可能性を踏まえリクエストを。OTAでも“2024年12月オープン／全33室／最上階フロア”の概要が整備されており、レビューは「静けさ」「ラウンジの快適さ」「コース料理」「大浴場・サウナの充実」への言及が目立ちます。

総じて「エグゼクティブスイート翠嶺」は、最上階の抜け感、選べる食体験、専用ラウンジとレセプション、そして下層に広がる巨大スパ機能を“縦に束ねた”新しい高層温泉体験。客室内のバスは温泉ではない一方、館内の名湯と最新サウナで“ととのう”導線は十分。渓谷の空模様を眺めるだけで満たされる——そんな大人の余白を、札幌から小一時間で確かなかたちにしてくれるフロアです。