「ササラ電車」は、札幌市電(路面電車)が冬季に運行する専用の除雪車両で、軌道上に積もった雪を取り除くために設計された作業用電車です。
大正期から札幌の冬期運行を支えてきたササラ電車は、冬の深夜〜早朝に線路の雪を除去し、安全な始発運行を実現します。
雪が多い札幌では、線路上の雪を素早く退けることが市電ダイヤの安定に直結します。
名称の由来である「ササラ」は竹を束ねたブラシのことで、車両前後に装備された回転ブラシがレール上の雪を跳ね飛ばしながら走行します。
金属ブレードではなく竹ブラシを用いるため、レールを傷めにくく、湿雪にも対応できるのが特長です。
札幌市交通資料館では新旧の除雪車の資料が公開されています。
主な運行時期は11月下旬〜3月頃。
降雪状況に応じて深夜〜早朝に出動し、積雪が少ない場合はブラシを回さず待機走行にとどめることもあります。
Sapporo streetcar's snow removal train "Sasara Densha"
— 北海道暮らしの読みもの (@hokkaidodo_jp) September 3, 2024
札幌市電の除雪用電車「ササラ電車」 pic.twitter.com/VCrlLDSj7G
ササラ電車が雪煙を上げて市街地を走る光景は、札幌の冬を象徴する風景として観光メディアでも紹介されています。
ササラ電車は、札幌という雪国都市の公共交通を支える「縁の下の力持ち」です。
冬の札幌を訪れる際は、街を陰で支えるこの除雪電車にも目を向けてみてください。
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